2014年2月1日土曜日

私達は本当に奴隷制度を否定しているのか? 〜現代の奴隷とは 問題の本質とは〜

私は、私達が本当に奴隷制度を否定しているのか、時々、疑問に思います。なぜなら、働かずして所得を得られる理由は、働くも所得を得られない人がいるからこそでは?と疑問に思うからです。

ポーカーでは、「チップを得る人」がいる側で「チップを失う人」がいます。同様に私達の経済でも、「金利を受け取る人」がいる側で「金利を払う人」がいます。ポーカーのチップは片付ければ何の意味を持ちませんが、「金利」には深い意味があります。

◯「金利」が持つ本質的な意味とは
「金利」とは:資金の貸借の対価あるいは貸借される資金の使用料のこと。(kotobankより)
このことは、貸し手や借り手から見て、何を意味しているのでしょうか?
金利とは、貸し手から見ると働かずして得る所得のことです。逆に、借り手から見ると所得にならない労働のことです。金利によって、働かずして所得を得る人を生む一方で、働くも所得を得られない人を生むことになります。つまり金利とは、貸し手から見て不労所得であり、借り手から見て手数料とはいえ返済するために搾取された労働の一種です。そのことは、暗黙のうちに定めている現代の奴隷制度といえます。

◯年金制度とは
私達の年金制度などは、預け入れた元本以上の受け取りを期待することから、金利が付くことを前提に設計されています。つまり、私達は、配当や金利などにより「不労所得」を求めています。私達は、年金を増やしたいと考えているなかで暗黙のうちに奴隷を求めていることになります。

私は、私達が本当に奴隷制度を否定しているのか、時々、疑問に感じるのです。
(おしまい)

ps.ケビン・ベールズによると現代の奴隷制度の総賃金は、アメリカのポテトチップス消費額と同じとのことです。

ケビン・ベールズ:現代の奴隷制度といかに戦うか

6 件のコメント:

  1. 「経済学とは宗教」本当に僕もそう思っています。
    「神」の存在、意義を問う人と言われるがままに信用する人。
    「カネ」の存在、意義を問う人と言われるがままに信用する人。
    現在の通貨発行は誰が行い、その利益は誰が享受するのか?
    そのような不謹慎な質問をする人はタブー視される。

    カネと労働について、シュタイナーの国民経済学が示唆に富んで面白かったです。
    http://www.geocities.jp/momoforall/booknote1/index.html

    長い文章なので、いま、まとめている最中です。

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    1. コメントありがとうございました。リンク先については拝読させて頂きます。

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  2. 偏った見方だと思います。

    例えば、ソフトバンクはボーダフォンを買収するために多額の借り入れを行いましたが、レバレッジを利用して多額のリターンを手にしました。

    また、金利があるから、住宅ローンを組み、資金のない若いうちに家を手に入れることもできます。

    金利自体は公平な制度です。

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    1. コメントありがとうございます。

      ソフトバンクは、金利を負担するため、従業員が得た利益から元金分に加え利払分を差し引いた残りを従業員に給与として分配しました。もちろん、ソフトバンク従業員はそれを承知の上で入社しました。また、住宅ローンを組んだ若者は、若いうちから家を得る代償として自分の給与の一部しか手にしないことを許容しています。いずれも、金利負担側の合意を前提に公平と言うならその通りです。

      ところが、日本の消費者金融などの場合は、本人が合意しているにもかかわらず社会問題化しました。さらに、アメリカのサブプライムローンでは、借りた側が住宅を手放すこととなり大きな経済・社会問題化したことで、政権交代するまで事態が発展しました。

      つまり、金利そのものは、双方の合意の上に成り立つ公平な制度とはいうものの、問題を内在していると言えます。

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    2. 借りたお金を上手く使って奴隷から抜け出す人もいます。
      借りたお金を浪費してさらに下の奴隷になる人もいます。
      前者に触れず、後者の問題を取り上げているだけだと思います。

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    3. 借りたお金を上手く使って奴隷から抜け出せた人がいる理由は、その裏で新たに奴隷になった人がいるからです。金利がある世界において、全員が奴隷から抜け出せる訳ではありません。

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